蟹座の要素
星座の性質は、その星座が持っている「要素」の組み合わせで考えてみると理解しやすいです。
この「要素」というのは、
- 男性サイン/女性サイン
- 火サイン/地サイン/風サイン/水サイン
- 活動サイン/不動サイン/柔軟サイン
- 個人的/社交的/普遍的
です。
蟹座の持つ要素は、以下のとおりです。
- 女性サイン
- 陰陽の「陰」であり、エネルギーを内側に溜めこみます。
- 水サイン
- 「感情タイプ」に分類されます。自分のこころの動きを通して世界を把握し、処理します。他者との精神的なつながりを司ります。
- 活動サイン
- 新しい動きをつくり、ものごとの基本となることをはじめます。
- 個人的
- 「自己の育成」「この世界で生き延びること」に意識が向かいやすいです。
これらの要素を組み合わせてみると、蟹座は「自分の感情にもとづいて、他者と精神的につながってゆく」みたいな感じになります。
活動サインは「場作り」の性質を持つため、蟹座は「自分の感情を満たせるコミュニティを作る」と表現することもできます。
ちなみに、星座の性質は、厳密に言語化する必要はないです。自分が一番しっくりくる「蟹座」の表現を探してみましょう。理詰めで「蟹座はこういう星座なんだ!」と説明されたところで、蟹座のひとはなかなか納得出来ないかと思います。自分のこころの声と相談しながら蟹座を言い表せるようになれば、さらに蟹座力はがアップする…はずです。
4番目の星座
蟹座は12星座の4番目の星座です。
1つ前の双子座は、他者の存在を「知る」ことはできましたが、他者というものを実感するには至っていませんでした。自分以外の人間がいるということはわかっているけれども、その息遣いや感情にはまだ触れていなかったのです。
4番目の星座である蟹座では、他者との交流を通して、自分のこころが動くようになります。感情を通して、外界にあるものをこころのなかに落とし込んでゆくのです。そうやって、双子座で「理解」したことを「納得」し、蟹座は成長していきます。
星座は「火」→「地」→「風」→「水」の順番で並んでいて、これがひとつのサイクルになっています。
「火」の牡羊座と「地」の牡牛座で精神的・肉体的に「自分」というものを徹底的に作り上げ、「風」の双子座で「自分以外のもの」に目を向けるようになりました。そして「水」の蟹座では、「自分」と「自分以外のもの」とのあいだで感情を行き来させ、自分を取り巻く世界を受け入れていきます。
また、色の違う水が混ざり合うように、「自分」と「自分以外のもの」の境目も失われ、自我が薄れてゆきます。
ひとはみなこうやって12星座の「個人的な領域(1~4番目の星座)」を育て、統合し、次の「社交的な領域(5~8番目の星座)」に進んでゆくのです。
感情と記憶
支配星からも、星座の性質を考えてみましょう。
蟹座の支配星は「月」です。
月は「こころ」で「感情」、「記憶」を司ります。この記事ですでに散々出てきているワードですね。このブログでは月を「欲求」と読むことが多いですが、要するに「ありのままの私」や「ほんとうの私」が月によって表されているのです。
「ほんとうの私」を無防備に晒すと精神的に深手を負いかねません。こころの柔らかい部分を攻撃されたら死ぬほど痛いです。
なので、ひとはこころを守るために、成長の過程で「体外的な顔」や「タテマエ」を身に着けていきます。動物のカニだって、やわらかくておいしい身を守るために硬い殻を持っています。
ひとはみなカニであり、蟹座なのです。ちなみに私はゆでたカニの身をほじくりだして食べるのが大好きです。
また、月の公転周期は約1ヶ月であり、占星術で使う10天体の中では最短です。
月は短い周期で満ち欠けを繰り返していますが、ひとのこころも月のように大変移ろいやすいものです。
なので、蟹座が健全と育っているひとは泣いたり怒ったりするのに忙しいですが、機嫌の回復も早いです。
蟹座は「個人的な星座」でもあるので、自分の感情としてどんどん表に出すことで、自力で元気になることができるのですね。なんだかんだでしたたかです。そりゃズワイカニがノルウェーで大量増殖しちまうってわけです。
蟹座が社会的な役割を果たすことや、成果ばかりを追い求めてしまうと、自分の気持ちを押さえつけたり、殺すことになります。同時に、他人の感情もないがしろにしてしまいます。
「感情を失った蟹座」なんて、それはもう蟹座ではありません。カラッカラに干からびて死んだカニです。そんなカニに果たして価値があるでしょうか。殻で出汁がとれますね。
私は茹でられて死んだカニを食べるのが好きですが、それはカニの身から滴り落ちる、旨味成分の溶けこんだ水っぽい汁がたいへんおいしいからです。
つまり、カニの魅力は、あのみずみずしさなんです。だから、蟹座も水分たっぷりでなくてはならないんです。
さて、月は自ら輝いているのではなく、太陽の光を反射させて輝いています。
光は世界でもっとも速く進みます。
それでも、太陽が光を発したその瞬間よりも、月が太陽の光を反射させた瞬間のほうが、ほんのわずかながら後になります。
つまり、我々は月を通して、太陽の放った過去の光を見ているわけです。そのため、月は「過去」を司ってもいるのです。
ひとは太陽のエネルギーを使ってさまざまな経験をし、その経験は月に反映、あるいは落とし込まれます。
「月」=「こころ」に落としこまれた経験は「記憶」に変わると同時に、「過去」になります。「経験」が自分のなかで「過去」になってようやく、水に流すことができるのです。「過去」というのはあたまのなかにしか存在しない、あやふやなものでもあるので、カンタンに流れていってしまうことがおわかりいただけるでしょうか。
つまり、月に支配されている蟹座は「過去」と向かい合うと同時に、手放す星座でもあるのです。
感情の育成
上記の内容を心理占星術的な表現でまとめると、「感情の育成」になります。
蟹座は自分の感情を用いて、他者との精神的につながっていこうとします。身の回りのひとを受け入れ、自分も受け入れられていくのです。
そうすることで、安心できる居場所を作ってゆきます。また、他者にも安らぎを与えることができ、次のステップである「社交的な領域」に進むこともできるようになります。
ゆえに、蟹座のテーマは「感情の育成」になります。
さて、このブログでは「太陽」よりも先に「月」の解説を行っています。
これは、自分のなかの月、すなわち蟹座を育てることが、すこやかな創作活動に必要不可欠だと考えているからです。
自分の欲求に忠実な作品をつくるのは、とても楽しいことです。
創作はなにかをつくる行為である以上、気力という名のエネルギーをめちゃくちゃ使うため、楽しくないと続かないのです。
そして、月が満たされることで、太陽のエネルギーもチャージされます。太陽の光が強くなると、読み手を惹きつける力も強くなります。より明るいほうの灯りに、羽虫がむらがるようなものです。
また、創作以外のことに関しても、活力がわくはずです。
つまり、蟹座力を鍛えて、自分の月に素直な作品をつくることができるようになれば、人生そのものが輝きはじめるわけです。
ここまで大げさではなくても、自分の月に忠実な作品作りはこころの浄化になりますので、全力でおすすめです!
創作の息抜きに創作をしてしまうひとがいるのは、より自分の月に沿った作品をつくることで、こころを満たそうとしているのかもしれませんね。
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