獅子座について-自己価値の証明

獅子座の要素

星座の性質は、その星座が持っている「要素」の組み合わせで考えてみると理解しやすいです。
この「要素」というのは、

  • 男性サイン/女性サイン
  • 火サイン/地サイン/風サイン/水サイン
  • 活動サイン/不動サイン/柔軟サイン
  • 個人的/社交的/普遍的

です。

獅子座の持つ要素は、以下のとおりです。

  • 男性サイン
    • 陰陽の「陽」であり、エネルギーを外に放出します。
  • 火サイン
    • 「直観タイプ」に分類されます。ものごとのはじめるためのエネルギーを持ち、積極性や勇気、エゴや生命力を司ります。
  • 不動サイン
    • すでにあるものを維持し、価値を積み重ねていきます。
  • 社交的
    • 「自分以外の他者」「他者との関係づくり」に意識が向かいやすいです。

これらの要素を組み合わせてみると、獅子座は「揺らがない自己価値を他者に向けて発揮する」みたいな性質の星座だとわかります。
つまり、「見て見て、すごいでしょ! これね、私がつくったの!」というノリの星座です。自分の作品をなんらかの形で公開している創作家さんには、心当たりがあるのではないでしょうか。
獅子座は「創造性」を司る星座です。つまり、ありとあらゆる創作活動をしているとき、人はみな獅子座なのです。
ちなみに、星座の性質は、厳密に言語化する必要はないです。各人の創造性を発揮し、「この表現、サイコーだぜー!」と思えるような言葉を選んでいけばいいのです。自分の感性に基いて表現を選び、他者にアピールすることは、実に獅子座的な行為です。自信をもって「俺にとっての獅子座はこんな星座なんだよ!」と叫べるような表現を見つけ出せば、さらに獅子座力はがアップする…はずです。

5番目の星座

獅子座は12星座の5番目の星座です。
1~4番めの星座、牡羊座・牡牛座・双子座・蟹座では、自分の存在を確かなものとし、知性や感性を育むことに重きをおいてきました。
そうやって育て上げた自分自身を、5番めの獅子座で、他者に対してどどーんとお披露目します。自分ひとりで「私」を育てるのではなく、他者との関係性のなかで「私」に磨きをかけていく領域に達したのです。
双子座や蟹座の世界にも「他者」は存在していましたが、意識の焦点はあくまでも「自分」でした。双子座・蟹座は自分の周りに広がる世界に気づいてはいるものの、自分ひとりでなにかをやっていてもそれなりに楽しい星座なのです。
けれども、獅子座は自分ひとりでは成立しない星座です。獅子座が獅子座らしくあるためには、「自分」を「他者」に見てもらう必要があります。自分の渾身の作品を全世界に公開したのに、だれにも見てもらえなかったとしたら悲しいですからね…

獅子座は「ライオン」の名にふさわしく、自信にあふれていて、プライドが高い…というイメージを持っている方も少なくないのはないでしょうか。
1つ前の星座である蟹座が「安心できる場所」を作り、全力でリラックスしていたいの対し、獅子座は牡牛座で積み重ねた「自己価値」を全力でアピールしようとします。
自分を他者に見せる…というか見せびらかしてなんぼ星座ですので、そりゃあ自信がなければやっていけないし、必然的にプライドも高くなければいけないわけです。

自己価値を衆目にさらすということは、とても勇気のいることです。他者に否定されるかもしれませんし、下手したら攻撃されかねません。自己価値を見せつけることで称賛を得られるかもしれませんが、同時に、傷つけられる危険性もはらんでいるのです。
自信満々に見える獅子座だって、勇気をふりしぼって堂々と振る舞おうとしているだけかもしれません。
獅子座に天体がなくても、だいたいの人間はめちゃくちゃ叩かれたら傷つきます。そもそも、獅子座を含む「火の星座」は打たれ弱い傾向にあります。火は土をかけたら消えますし、強い風に吹かれても消えますし、大量の水を注いでも消えてしまいますから。
なので、鼻っ柱を折られて自信を失った獅子座は、硬いカニの殻をかぶり、安心できる岩陰に逃げ込んで、蟹座に戻ってしまうのです。
創作活動をしていて、作品を叩かれでもしたら、公開を取りやめて引きこもりたくもなるかと思います。いかなる天体配置を持っていようと、創作家さんはみな獅子座なのです。

創造のエネルギー

支配星からも、星座の性質を考えてみましょう。
獅子座の支配星は「太陽」です。太陽系の中心にして、自ら光を放つ唯一の天体です。
太陽は地球上で生きとし生けるものたちが繁栄するためのエネルギー源です。つまり、生命の力なのです。
ゆえに、太陽は占星術では「創造のエネルギー」とされています。仰々しいですが、実際の太陽を表現するためにどんなに大仰な言葉を重ねたところで、盛りすぎることはないのです。太陽は地球から149,600,000km離れていますが、それでも、太陽を直視すると網膜が傷ついてしまうくらい、ものすごく強い光を発しているのです。
この壮絶にすごくてやばくてスペシャルな太陽のエネルギーを用いて、ひとがなにを創造するかというと、それは「自分の人生」です。

ひとが「生きている」という実感を得るのは、充実感、高揚感を覚えているとき――すなわち、自分の人生に集中し、楽しんでいるときだといいます。逆にいえば、ひとは過去の自分を思い出して立ち止まったり、未来の自分の姿を思い描いて不安になっているときは、自分の生を楽しめていません。
「今」を生きていないと、人生は楽しくないのです。人生を楽しむためには、「この人生の主役は自分自身だ」と腹をくくるしかありません。

とはいえ、過去を手放し、先のことを考えすぎずに行動するのは、なかなか難しいことではないでしょうか。
「自分らしく」生きることを選択し、その選択を信じて先に進むことは、自分の人生に責任を持つことでもあります。この責任は、ものすごく重たいです。なんといっても、自分の人生がかかっていますから。
もし失敗したら、自分で自分の価値を認められなくなってしまうかもしれません。あるいは、自己価値が回復不可能なまでに傷ついてしまうかもしれないと、恐れを抱く人もいるかもしれません。

でも、「生きている」という実感を得るためには、「今」を生きるのが一番手っ取り早いです。余計なことを考えずに、お天道さまの下に出ろってことです。そんなこと言われたってお外は怖いんじゃハゲ!って感じです。
それでも、自分の姿をひとさまに見せなければ、だれにもほめてもらえないし、自尊心を満たすことはできないのです。
どうしても自信が持てないなら、自分のなかの牡牛座をきちんと育てて、揺らがぬ自己価値、つまり「価値ある私」を育成していく必要があるのです。
あとは獅子座力、つまりライオン力を高めるために焼肉でも食べれば、精がついて、堂々と自己アピールする気力がわいてくるのではないでしょうか…。お肉ってすごい。

自己価値の証明

上記の内容を心理占星術的な表現でまとめると、「自己価値の証明」になります。かっこいいですね。太陽を背負って生きている感にあふれていますね。
獅子座は自己価値を他者に見せびらかし、誇り、自分らしく生きようとします。そして、賞賛されることにより、自己価値をより強く実感していきます。そうやって、自分が人生の主役であり続けることが、獅子座にとってなによりも重要なことなのです。
ゆえに、獅子座のテーマは「自己価値の証明」になります。

最近、じわじわとこのブログへのアクセスが増えてきて、お言葉をいただく機会もいただけて、すごくうれしいです。「獅子座やっている感」に満ちています。
同時に、ほんのりと緊張感を覚えるようになってきました。ブログのアクセス解析をたまーに見ては、周りにだれもいないのにひとり姿勢を正しています。
獅子座に天体、特に太陽があるひとの感じているプレッシャーは、きっとすさまじいものなのでしょう。
なので、獅子座のひとには特にやさしくしようと心に決めております。この場合、この世界のありとあらゆる創作家さんも「獅子座のひと」に分類されます。実際にやさしくできているかは謎ですが…。

さて、自分のなかの獅子座を育てることは、楽しく創作を行う上で、とても重要なことだと考えられます。
創作物を公開することは自己顕示欲を満たすための行為…と揶揄したり自虐したりしている場面もよく見られますが、実際に自己顕示欲全開の行為だと思います。
が、人間に自己顕示欲というものがなければ、作品が公開されることもなく、世の中がものすごくつまらなくなってしまいます。そして、ひとさまの作品を見て作者さんのチャートを読むのが好きな私が、大変困ってしまいます。
なので、創作家さんはぜひ己の自己顕示欲を大切にしてください。強すぎるのも考えものですが、ほどほどの自己顕示欲をもって創作をすれば、この世界を楽しくすることにつながっていくはずです。

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ABOUTこの記事をかいた人

煮汁の上澄み。心理占星術を勉強中。占星術を創作に結びつけて活用できないか、日々模索しています。