天秤座について-他者との交流

天秤座の要素

星座の性質は、その星座が持っている「要素」の組み合わせで考えてみると理解しやすいです。
この「要素」というのは、

  • 男性サイン/女性サイン
  • 火サイン/地サイン/風サイン/水サイン
  • 活動サイン/不動サイン/柔軟サイン
  • 個人的/社交的/普遍的

です。

天秤座の持つ要素は、以下のとおりです。

  • 男性サイン
    • 陰陽の「陽」であり、エネルギーを外に放出します。
  • 風サイン
    • 「思考タイプ」に分類されます。自分というものから離れ、ものごとを客観的に把握し、論理的に処理します。言語やコミュニケーションを司ります。
  • 活動サイン
    • 新しい動きをつくり、ものごとの基本となることをはじめます。
  • 社交的
    • 「自分以外の他者」「他者との関係づくり」に意識が向かいやすいです。

これらの要素を組み合わせてみると、天秤座は「ものごとを客観的に把握し、自分以外の他者にはたらきかける」みたいな性質の星座だとわかります。
活動サインは「場作り」を行うため、「他者との交流の場を作る」、さらに単純化して「人間関係を作る」と表現することもできます。
ちなみに、星座の性質は、厳密に言語化する必要はないです。TPOに応じて表現を変えていけばいいのです。相手のことを考えて言葉を選べるのは、実に天秤座らしいです。目の前にいるひとにあわせて天秤座を言い表せるようになれば、さらに天秤座力がアップする…はずです。

7番目の星座

天秤座は12星座の7番目の星座です。ここでとうとう12星座の折り返し地点を突破し、天秤座から後半戦がはじまります。
前半6星座(牡羊座・牡牛座・双子座・蟹座・獅子座・乙女座)では個としての「私」の育成を行ってきましたが、後半6星座(天秤座・蠍座・射手座・山羊座・水瓶座・魚座)では、他者や社会、さらに大きな全体へと意識が広がっていきます。

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12星座は、牡羊座を円のもっとも左側(東)に置き、反時計回りに牡牛座、双子座、蟹座…と次の星座へと進んでゆく構造になっています。
前半6星座はこの円の下半分にあり、これらの星座が地平線よりも下にあることを表しています。
1番めの星座である牡羊座から順に星座を進んでゆくと、7番目の星座である天秤座でやっと地上に顔を出すことになります(図の赤い部分が天秤座)。そして、天秤座から反時計回りに蠍座、射手座…と進んで魚座までが、地上に出ている=集団を強く意識している星座になっています(図の青い部分)。

天秤座は言わば「社交界デビュー」です。1つ前の星座である乙女座で、徹底的な自己調整を行い、相手と対等に渡り合える「私」になったところで、天秤座として社交界に飛び出してゆくのです。
獅子座と乙女座も「社交的な領域」の星座ですが、意識の焦点は「私」に向けられていました。けれども、天秤座からは意識は「私」を離れ、「他者」へと注がれます。
天秤座の領域では、「ひとりの人間」である「私」が、やはり「ひとりの人間」である「他者」と交流し、その反応から、「私というもの」を強く認識しようとするのです。

他者の価値観と調和

支配星からも、星座の性質を考えてみましょう。
天秤座の支配星は「金星」です。
金星は「価値観」や「資質」、「対人関係」を司ります。
天秤座の場合、金星の「対人関係」の部分が強く出ています。

ひとはだれもが金星を持っています。つまりひとそれぞれの「価値観」というものがあります。天秤座と同じく金星に支配されている牡牛座では、自分の「価値観」を大切にすることがテーマになっていました。
天秤座は、他者にも自分と同じように「価値観」が存在することを知っています。そのため、自分と相手との「価値観」の調和をはかろうとします。

天秤座は「対人関係」の星座です。他者が自分と同じように、意志も、肉体も、思考も、感情も持っていて、自分と同等の「存在の質量」のある人間だと、理解しています。その上で、他者と向かい合います。
だからこそ、自分とはまったく違う「価値観」を持った他者に、本気で取り組む必要があります。
ひとに振り回されて、自分がよくわからなくなってしまうこともあるでしょう。それが怖くて、他人に対して頑なになってしまったりもするでしょう。
そんなふうに、自分と他人とのあいだを行ったり来たりして、天秤のように揺れながら、相手との距離感や位置関係をはかり、最適な立ち位置を見極めていきます。そうやって、ひとびとのなかでしたたかに生きていこうとします。

天球上では、天秤座の真向かいには牡羊座があります。牡羊座のように、いちいち自分の意見を主張し、やりたいようにやっていたら、てんびん座の求める「対人関係」は成立しません。だったらひとりでやってろ!という話です。

たとえば、カルビも牛タンもハラミもぼんじりもいろいろ食べたくて、友人といっしょに焼肉屋さんに行ったとします。けれども、もしその友人が大好物のホルモンばかり頼み、次から次へと網に並べていったら、他の肉を焼くスペースがなくなるどころか七輪が炎上してしまい、あなたの食べたいお肉を焼くことができません。きっと、ホルモンとともに、人間関係も炎上することでしょう。他者と焼肉に行く際は、お互いの好きな肉を尊重し、ときには葉っぱや白米も注文して、調和をはかる必要があるのです。

だれかと食べに行く焼肉は、天秤座のバランス感覚が存分に発揮される場です。
けれども、みんながみんな、無言でひたすら肉を焼いては食べ、焼いては食べ…を繰り返していたら、人間関係もクソもありません。そこは戦場です。天秤座のようにガツガツするのが苦手な星座から死んでいきます。ではなくて、肉を食べ損ねてしまいます。また、天秤座らしく他人との交流をはかることもできません。
ですので、天秤座は食いっぱぐれないように、そして、肉を食べながら会話もできる流れに変えるため、「火星力」をつけていく必要があります。
「金星力」と「火星力」を兼ね揃えた天秤座こそが、焼肉の真の支配者なのです。野性的で粗野な焼肉の戦場を、天秤座が華やかで優雅な社交の場へと変えるのです。

金星は「心地よさ」も司っています。牡牛座は「個人的な心地よさ」を追求していますが、天秤座は「関係性のなかでの心地よさ」――つまり相手と自分、お互いが心地よく過ごせるようにします。これを実現するために、主観ではなく客観的にものごとを見て、判断し、行動するのです。そのため、気づかい上手で、人間関係に波風を立てたりしないのです。平和主義、とも言えるでしょう。
だからこそ、天秤座は焼肉の場においても、相手と自分、公平に肉を分け合おうとするのです。そのために、今日もトングを握るし、サラダだってよそっちゃうのです。

他者との交流

上記の内容を心理占星術的な表現でまとめると、「他者との交流」になります。
天秤座は「私」から離れ、「他者」に強い関心を持ちます。そして、「他者」の目を通して、「私」の姿を確認します。「私」の存在を実感するために、天秤座は積極的に他者にはたらきかけ、調和をはかり、交流の場を作ろうとするのです。

創作と天秤座…は直接的に結びつくイメージが私の中にはありません。が、創作活動をしていると、なんだかんだで他のつくり手や受け手との交流を持つ機会もあるかと思われます。実際、創作家さん同士、あるいは受け手の方との交流を目的としている企画やイベントも、オンオフ問わずにあちこちで行われていますね。
わたくしがなにかとお世話になっているウォンバットマガジンさんでも、年に2回くらい小説&イラスト系の企画が行われています。そして、企画がきっかけでツイッター等で新しく交流が生まれたり生まれなかったりしているそうです。ダイマってやつです。
「ひとりで好き勝手やっているのも楽しいけど、そろそろ生きている人間と触れ合いたい…」という方は、ぜひ企画に参加されてみてはいかがでしょうか。たまには人間界も悪くないと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

煮汁の上澄み。心理占星術を勉強中。占星術を創作に結びつけて活用できないか、日々模索しています。