土星射手座入り

おはようございます、水煮です。
18日、土星が蠍座から射手座へと移動しました。
これは占星術的にはとても大きな天体配置の変化で、Google先生で「土星 射手座」で検索すると、めちゃくちゃいっぱい占星術系ブログの記事が出てきてます。そんなわけで、わざわざ射手座土星に関する記事を書かなくてもいいんじゃないかな…と思ったりもしました。
が、私は土星が射手座にあるので、「おかえりませ土星」記念に記事を書いてみるのも悪くないような気もして、こうやって文章を書くに至ったのでした。

ちなみに、射手座は去年のクリスマスイブにすでに一旦射手座に入りましたが、その後逆行し、今年の6月半ばに蠍座に戻りました。
今後、2017年の暮れまでは、土星はずっと射手座にいることになります。つまりこれから2年と3ヶ月は土星射手座の時代なのです。

天体(特に公転周期が長い天体)が次の星座に移るときは、かなりインパクトがあります。土星の公転周期は約28年で、つまり地球の約28倍の時間をかけて太陽を一周するということを念頭に置くと、土星が移動するってなんとなくすごそうな感じがするなぁ、と思っていただけるかもしれません。
ちなみに、射手座に天体がない方でも、「別に射手座じゃないしー?」と油断はしていられません。地球上に生きているひとびとは、その時代の天体配置に、大なれ小なれなにかしらの影響を受けている…というのが占星術の考え方だからです。

土星:柱を立て、骨組みを作る


まず、土星とはいったいどんな天体なのでしょうか。
占星術をほとんどかじったことのない方は、「立派な輪っかのあるベージュ色の天体」を思い浮かべたりするのでしょうか。
占星術の知識が多少ある方は、「制限」「忍耐」「凶星」だとか、そんなネガティブな言葉が脳裏をよぎるかもしれません。「気難しい老人」も土星の典型的なイメージのひとつですね。
いいイメージを持っている方の比較的少ない天体だとは思いますが、それはさておき、土星のビジュアルはすごくきれいなんですよ…。カタチも独特ですし。中学生か高校生のころ、天体望遠鏡で土星を見て、「ほんとうに輪っかっぽいのがあるー!」とテンションが上った記憶があります。

上で挙げたとおり、たしかに土星は「制限」の象徴でもあります。が、「制限」という表現が、なんとなく憂鬱な色を帯びていて、土星のイメージを悪くしているような気もします。
土星は「継続する」ことに重きを置く天体です。ものごとを続けるためにはどうすればいいでしょうか。
これについては、「習慣化・ルールづくり」「無理しない」などが挙られます。

「習慣」は日常を維持するために日々同じ行為を繰り返すことなので、「月」の管轄になります。月は約28日周期の決まったサイクルで満ち欠けを繰り返すと同時に、地球上の存在にとってもっとも身近な天体でもあります。
「月」は天球上の動きがとても速いがために不安定でもあるのですが、この「月」を安定させるためには、日々の「ルール」を設定してやってやればいいのです。ルール通りに毎日決まったことをこなしていけば、月が天球を1周するころには新たな習慣になり、生活も安定してくるでしょう。

この「ルール」を設定する天体が、「土星」なのです。「土星」は地球から遠くはなれた天体ではありますが、もっとも身近な「月」を支える柱でもあります。
土星の「ルール」は個人的なものだけではなく、校則や社則、法律…といった社会的なものも含んでいます。
「ルール」を適用とするということは、「これは必ずやれ」や「あれはぜったいやるな」といった、さまざまな制限を受け入れるということでもあります。
なので、土星は「制限」の意味もあるのです。

また、この「ルール」通りに生きるためには、ある程度の「忍耐」も必要とするかと思います。ひとによっては、「ある程度」どころの話ではないかもしれませんね。「他人の作ったルールを押し付けられるのがほんとうに嫌」というひともいるでしょう。
でも、そのひとにとって合理的なルールであれば、あまり「制限されている」「我慢を強いられている」といった気持ちにならないと思われます。
つまり、土星は別に「嫌な天体」や「凶星」ではないのです。「腹八分」や「定時退社」、「飲み会には行けども二次会には行かない主義」などは、土星の「無理しない」機能が持つ側面ですね。

ある物事にたいして「ルールを作る」ということは、その物事に関する「柱を立てること」であり、「枠組みをつくること」でもあります。
なので、今回の記事では、土星を「柱を立てる」「枠組みを作る」天体というふうに、表現していこうと思います。

射手座の土星


土星が蠍座から射手座に移ると、なにが、どんなふうに変わっていく可能性が考えられるのでしょうか。

蠍座は「他者の価値を利用する」サインです。自分ひとりでは生きられないことを知り、相手の持っている資産やら才能やら技術やらに寄生…じゃなくて力を借りて、その一方で自分の価値も相手に提供して、共に生きてゆこうとするのです。
なので、「自分以外の他者」に重きを置いているサインでもあります。他者との関係を徹底的に掘り下げて、対象の持つ価値を本人以上に理解し、知り尽くし、そして利用してゆくのが、蠍座の理想です。
また、相手の価値を自分の内側に取りこむと、どうしても今までの自分ではいられなくなってしまいます。ゆえに、蠍座は「変容」のサインでもあります。
新しい自分に生まれ変わってゆくと同時に、今までの自分を手放すことも、蠍座で行われるのです。

土星が蠍座にあった時期(2012年10月~2014年12月、2015年6月~9月)は、他者(個人かもしれないし、組織かもしれないし、芸能人かもしれないし、過去のひとが遺したものかもしれない)の価値に関して、なにかじっくり継続して取り組む時期だったのだろうと思います。蠍座は「組織」も意味するので、(会社員ではなくても)企業で働いたり、だれかの下でなにかを学んだり研究したりしていた可能性も考えられますね。そうやって、古い自分から新しい自分へと変わっていったのでしょう。
また、土星がいったん射手座入りし、その後蠍座に戻ってきた時期は、自分にとって不要になったものを手放しする必要に迫られることになった方も少なくないかと思います。

蠍座は物事の奥深くに隠されているものを掘り起こすために、自分自身もどんどん深いところへと潜っていきます。
一方で、蠍座の次にある射手座は、蠍座とは逆にひたすら天の高みを目指します。射手座の次にある山羊座はすごく高い場所にいるため、射手座は山羊座の王座を目指して上昇しなければならないのです。
しかも、蠍座=地下深くからスタートすることになるので、射手座ではすさまじい高低差を、上に向かって飛び続けなければならないことになります。飛べなくなれば落ちるだけです。シンボルもまさに「矢」ですし…。
蠍座から射手座への変化は、蠍座で他者の力を利用しながら大きく弓を引き、山羊座(王座)目指して矢(射手座)を放つ…みたいにイメージしてみたらわかりやすいでしょうか。

土星が射手座に入ったということは、「高みを目指す」ことを継続して行う必要に迫られる…というふうに私は読んでいます。
「高み」を目指すためには、明確なビジョンや目的が必要不可欠です。的が定まっていなければ、矢はとんでもない方向に飛んでいってしまいます。
土星は「柱を立てる」「枠組みを作る」天体でもあるので、ビジョンや目的に対しても同様のことがいえると考えられます。
つまり、今まで「こんなことができたらいいなぁ」「あんなものがあったらいいなぁ」と、頭のなかでふわっとしかイメージしていなかったものを、はっきりとさせてゆく必要がある、というふうに読んでもいいかもしれません。

射手座の「冒険」サインでもあります。
すでにあるものをしっかりと活用していくことも大切ですが、ときにはそれを応用し、今までになかったものを求めていかなければなりません。「こうだったらいいなぁ」というものごとの実現に向かって挑戦していかなければ、世界は広がらないし、便利にならないのです。

今、目の前にないものを信じて、先に進み続けるのは、だれにとってもすごく怖くて、不安なことだと思います。でも、それをやらなければならないのが、土星が射手座にいる時代ではないでしょうか。
未開の地や、知らない世界に飛び込むのに、なんの準備もしていなければ、そりゃあ当然怖いし、不安にもなります。現地に行ったところで、右も左もわかりませんからね。
でも、事前知識があったり、なにかしら準備を整えておけば、不安は相当和らぐと思われます。

なので、射手座とは天球の対向の位置にある双子座を意識することも大切です。
気になったことは子どものように「あれなに?」「これなに?」とどんどん訊いて、同時に他者に対して情報のアウトプットもして、基本的な知識をちゃんと身につけておけば、射手座らしく自信を持って、理想に向かって突き進むことができる…と思います。備えあれば憂いなし、です。

射手座と同じく柔軟サインの乙女座の性質も、考慮に入れていいかもしれませんね。ちょうど、先月、乙女座に木星が移動したばかりですし。ちなみに、木星は射手座の支配星でもあります。
乙女座はざっくりいうと「技術」のサインです。技術を洗練させ、実際に使えるものにしていくのが、乙女座なのです。新しいことに挑戦するとき、すでに身についている技術もあれば、ますます怖いものなしです。

「双子座や乙女座を意識して使い、土星射手座時代の不安をなくそう」ということは、逆に言うと、「土星射手座時代は双子座や乙女座についても、土星(骨組みや枠組みづくり)を意識していこう」ということでもあります。
土星は人生の「定期メンテナンス」の天体でもありますので、射手座以外の柔軟サイン――双子座、乙女座、魚座にも、土星によるメンテナンスは及ぶのです。特に太陽、月、土星などが柔軟サインにある方は、土星射手座入りの影響を強く感じることになるかと思います。
今までぜんぜん魚座には触れていませんでしたので、ここでかるーく言及させていただきます。
魚座の人生をはかどらせるためには、双子座、乙女座、射手座の要素をしっかりやっていく必要があります。ので、やっぱり、「今は定期メンテナンスの時期なんだー」と、意識されることをおすすめします。

ほんとうは「サターンリターン」「土星回帰」、通称「サタリタ」についても書きたかったのですが、長くなってしまいましたのでまたの機会にしようと思います。
Twitter等で「サタリタってなによ!?」とリクエストいただけましたら、確実に書きますので…。

あと、ここまで書いてやっと、創作について一言も触れていないことに気づきました。
なので考えうる創作活動への影響も、ちょろっと書いてみようと思います。

土星蠍座時代に創作関係で野心を育ててきた人は、土星が射手座に移ったことを機に、公募なり持ち込みなりネットで連載なりイベントにサークル参加なり、なにかしら挑戦し続けることになるのではないでしょうか。
また、蠍座の時代に自分のなかでとことん煮詰められた「萌え」やら「燃え」やらを、作品に落とし込んで発表するのも、射手座の時代らしい行為だと思います。
他にもいろいろ考えられますが、なんだかんだで作品を世に出そう!というノリにはなりやすい時代ですので、ぜひ、この波に乗ってみてください。
うまく波に乗れれば、土星山羊座の時代がきたときに、社会的にも認められているカタチで、自分のやり方で創作ができるようになると思います。
ちなみに、私はサタリタなのもあり、この波に乗る気満々です…。

2 件のコメント

  • おっしゃる通り、Google先生で「射手座 土星」を検索すると大量に出て来るんですが、通り一遍過ぎて「だから何だ具体例を!体験談を!道標はないのかタダのコピペじゃ話にならんのじゃぁぁあ!⊂⌒~⊃。Д。)⊃ 」と発狂した双子月です。すごくしっくりきました。
    合わせて『双子月の作風』や蟹座に関する文も見ましたが、眼からウロコでした。自分の場合、情報は入れるのが多すぎて出す時には大体飽きるのが悩みです。だからいざ出そうとすると思ったより情報整理されてなくて、思ったように話せない自分に絶望します(泣)3ハウスに土星があるせいだと思いたい(←おい)
    因みに私は、太陽・水星カニ、月フタゴ、土星イテ、ですが
    【会社の仲間とゲスい罵詈雑言を重ねて笑いを取る】のが最近ストレス発散になるんだと27才で判明しました。
    (←上記4天体のみが原因では無いのは重々承知です。)
    それまでは基本的に何も話さずに、静かに黙って集団や仕事から離れる事が最良と思っていたのですが、本当その時期は毎日の会社が詰まらなくて、何をしても楽しくなかった。会社もよく1年持たず辞めてましたね。
    「うるさく喋ると自分が恥ずかしい思いをするんじゃないか、足元すくわれて恥を掻くんじゃないか」って言う周りの目線や思惑に対する怯えは今でもあります。
    何がキッカケなのか、自分でも覚えてないんですがねぇ。表に立てば話せるんです。学校の発表会みたいな場は大丈夫。なのになぜか自分の大事に思っている気持ちや趣味・意見、誰かを励まそうと考えた言葉は今でも上手く伝わらなくて口を噤みがちです><
    でもここを見て、他の星との利用法を見ながら今までどん詰まってた事を動かしてみたい。今まで一線を引きがちだった『私じゃ無い誰か』と会話や感情を交換して、『私の大事な人達』を増やしていきたい。今はそう思えます。
    あばばb(;´Д`)思った以上の長文になってしまって申し訳ないです。返信不要です。失礼しましたー=͟͟͞͞=͟͟͞͞┌(;;´◎`)┘(撤退)

  • ろみ子さん、コメントいただきありがとうございます。
    土星そんなに怖くないから嫌わないで(´;ω;`) 土星とうまくやっていこう…?ね?という想いに忠実に書いたので、しっくりきた、という言葉をいただけてすごくうれしいです!
    私も土星射手座のろみ子さんと同世代ですので、体験談を書けないのが悲しいところです…。

    「会社の仲間とゲスい罵詈雑言を重ねて笑いを取る」って、月双子座のおしゃべりしたい欲求を、蟹座の水星を使って見事に満たしていらっしゃるので、「おお…!こうやって天体をうまく働かせることもできるのか!」と感動してしまいました。
    3ハウスに土星…ということは、ろみ子さんにとっての3ハウスは、時間をかけてじっくりと育てていくテーマになるので、いろいろと情報を出し入れしていく内に、最終的にはめちゃくちゃ得意なハウスになるはずですよー!

    そしてとても前向きなコメントを読めて、パソコンの前でガッツポーズとっております…!
    私はめちゃくちゃ射手座が強調されているので、こう、跳ぼうとしている方を見かけると、うテンションが上ってしまいます…。
    ろみ子さんは気持ちをしっかり把握された上でコメントを書かれているので、月に光を集めるために太陽のエネルギーをきっと使っていけるんだろうなぁと感じました。
    (自分の欲求がなんなのか、心がなにを求めているのか、掴めていない方も少なくないので…)

    返信不要とおっしゃっていただきましたが、反応をいただけた上に、いろいろと知見を得られてうれしかったので、つい、返信をしてしまいました。
    この度はほんとうにありがとうございました!

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    ABOUTこの記事をかいた人

    煮汁の上澄み。心理占星術を勉強中。占星術を創作に結びつけて活用できないか、日々模索しています。