射手座-理想の追求

射手座の要素

星座の性質は、その星座が持っている「要素」の組み合わせで考えてみると理解しやすいです。
この「要素」というのは、

  • 男性サイン/女性サイン
  • 火サイン/地サイン/風サイン/水サイン
  • 活動サイン/不動サイン/柔軟サイン
  • 個人的/社交的/普遍的

です。

射手座の持つ要素は、以下のとおりです。

  • 男性サイン
    • 陰陽の「陽」であり、エネルギーを外に放出します。
  • 火サイン
    • 「直観タイプ」に分類されます。ものごとのはじめるためのエネルギーを持ち、積極性や勇気、エゴや生命力を司ります。
  • 柔軟サイン
    • すでにあるものを改善するために、臨機応変に動きます。
  • 全体的
    • 統合がテーマになっていて、「社会」や「みんな」に意識が向かいやすいです。

これらの要素を組み合わせてみると、射手座は「社会のなかで、新しいものごとに向かって臨機応変に動く」みたいな感じになります。
柔軟サインは既存のものをよりよいものにしようとするので、「社会をもっとよくするために、可能性を追求する」というふうに言い変えてみると、多少はこなれた表現になるのではないでしょうか。
ちなみに、星座の性質は、厳密に言語化する必要はないです。「この表現のほうが、もっといいはず!」と思える言葉を、次から次へと考え出してみましょう。射手座は楽観性がキモなので、軽い気持ちで、テキトーに言っちゃって大丈夫です。なにが大丈夫なのかよくわかりませんが、とにかく大丈夫なんです。
「これが射手座です!なかなかいいと思わない?」と言えるような表現を探求していけば、さらに射手座力がアップする…はずです。

9番目の星座

射手座は12星座の9番目の星座です。
1~4番目の星座、牡羊座・牡牛座・双子座・蟹座では、「個」としての「私」を育んできました。
5~8番目の星座、獅子座・乙女座・天秤座・蠍座では、他者との「関係性」のなかで「私」に磨きをかけてきました。
そして9番目の射手座からはテーマが「全体性」に移り、よりたくさんのひとびと、つまり「個人」の集合体である「社会」を意識していくことになります。

1つ前の蠍座では、関わっていく対象の範囲をぐっと狭める代わりに、深く深く掘り下げていきます。
他者をはじめとした「思いどおりにならないもの」を前にして、さんざん振り回されて、無力感を感じて、嫌になってしまって、それでもしがみついて理解し消化することで、新たな自分へと変容してゆくのです。
こうして「他者」の価値を自分のなかに取りこんで力をつけた蠍座は、そのエネルギーを用いて、今度はもっとたくさんの「他者」のいる世界、つまり社会へと飛び出していきます。高いところまで駆けあがり、広い世界を一望するのです。これが、射手座の領域です。

射手座は「火」の星座です。
「火」の星座は己の内側からわきあがるもの(エゴや生命欲、高揚感など)を重視し、それを外の世界に晒していきます。
広い世界へと飛び出していった射手座は、自分の真ん中で燃えているものを、「社会」に向けていきます。自分がよいと感じたものや、信じているもの――「理想」「正義」「可能性」などと呼ばれているものを追求すると同時に、世に広めていくのです。
そのために、射手座には海を超え、山を超え、ときに危険を冒しながらも遠い地へと向かう行動力が備わっています。ゆえに、射手座は「旅」や「外国」の象徴ともされています。
こうやって「ここではないどこか」を目指していくうちに、ますます視野は広がり、自分を高揚させるものに対する理解も深まり、射手座の語る言葉の説得力も増していくのでしょう。

射手座は「楽観的」だとか「大ざっぱ」だとか言われていますが、それは、悲観的で慎重な姿勢では、外国どころかどこにも行けなくなってしまうからです。基本的に頭でっかちなので、ねちねちと理屈をこねくり回すばかりのただの引きこもりになりかねません。
蠍座のように他者と共生している環境は、安全で安心できます。でも、蠍座から射手座に移って、身ひとつで群れから飛び出していくと、今度はだれも守ってくれなくなります。
だから、自分の信念を片手に、なんの保証も後ろ盾もない状態で広い世界に飛び出すためには、「なんとかなるさ」という気楽さが必要不可欠なのです。

冒険と発展

支配星からも、星座の性質を考えてみましょう。
射手座の支配星は「木星」です。
木星は「冒険」や「発展」などを象徴しています。

木星は太陽系でもっとも大きな惑星です。また、惑星内部で熱を生み出すことができます。
すなわち、占星術で使う10天体のなかでは、太陽に次いで存在感があって暑苦しい存在です。
(ただし、地球よりもずっと外側を公転しているので、気温はマイナスです)
そのため、木星は「もっと大きくなれよ!」と応援…というよりもあおってくる、「発展」を司る天体なのです。

木星に支配されている射手座も、高い向上心を持っています。
この向上心を刺激するのが、「冒険」や「挑戦」です。これらがないと、射手座は退屈で死んでしまいます。というか、存在意義を失います。
だから、射手座は「今、目の前にはないけれど、こんなものがあったらいいなぁ、あんなことができたらすばらしいなぁ」と未知のものを求めてゆくのです。

ひたすら高みを目指す射手座は、足元がお留守な傾向にあります。事実を軽視してしまいがちな面もあるでしょう。
ソースを確認し、目の前にあるものごとを現実的に処理していくことも、もちろん大事です。けれども、現実に根ざしているばかりでは、未知に向かっていく発展性がありません。
だから、射手座は「今はまだない、よりよいもの」を求め、理想を掲げ、ここではないどこかを目指そうとするのです。

射手座の性質について考えているといつも思い出すのが、バッタのジャンプの話です。
バッタはものすごいジャンプ力を持っています。ですが、バッタの身体の構造を考えると、あんなに高く遠くへ跳ぶことは物理的に不可能だそうです。
自分の身体ではそんなに跳べないことを、バッタは知りません。だからこそ、「自分はめちゃくちゃ高く跳べる!」ということを信じて疑わない。ゆえに、肉体的な限界を無視し、不可能を可能にすることができるのではないか。信じる力は現実を超える(かもしれない)。
そんな話を、小学生のころに「学研の科学」で読んだ気がするんですが、グーグルで調べてもソースが見つかりませんでした…。
でも、なんとなく射手座っぽいエピソードなので、載せてしまおうと思います。
こういういい加減さ・無責任さ・楽観性も「射手座らしさ」なのかなぁと思いますが、何座であってもソースは大事です。

理想の追求

上記の内容をそれっぽいワードにまとめると、「理想の追求」になります。
射手座は狭い世界から飛び出し、社会に目を向けます。そして、「理想」や「信念」といった自分を高揚させるものを信じ、追い求め、自分の言葉で「よいもの」として世界へと広げていくのです。

「火」の星座は自分自身を目立たせようとする性質を持っていますが、射手座は牡羊座や獅子座のように自分自身を主張したりアピールするのではなく、「自分が創造した結果」を見せびらかしたい星座です。
つまり、射手座らしい活動をするには、自分のなかで燃えたぎる表現欲を、とにかくカタチにしておく必要があるのです。

創作活動において、これは作品にあたります。
創作家さんが作品を世に出すためには、たとえ何座生まれであろうと、射手座っぽくならなければならないのです。
「こんな世界があったらいいのになぁ、最強なのになぁ」というものを思い描いて、それをみんなに教えるために、自分の持てるありとあらゆる知識と技術と情熱その他もろもろを行使する。ときには新たな技法に挑戦してみたりする。
そうやって、自分の表現力をどんどん発展させていけるのが、ひとつの理想なのだと思います。

2 件のコメント

  • 面白かったです!

    木星は「もっと大きくなれよ!」と応援…というよりもあおってくる、「発展」を司る天体なのです。

    あおってくる、という表現が面白いですね。水煮さんの解説?は、うまくいえないのですが、へんに気取ってないところがいいと思います。親しみやすいというか、あえて目線を下げて話してくれている感じがして優しいなと思います。

    創作家さんが作品を世に出すためには、たとえ何座生まれであろうと、射手座っぽくならなければならないのです。

    そうですね。「冒険」要素の全くない作品はつまらないです。
    私は射手座の天体はトランスサタニアンの天王星のみ、しかもノーアスペクト、なので上手く生かせてない気がするなあと感じました。射手座のハウスにあたる9ハウスには火星と金星のコンジャクションがあるんですけどね。

    個人天体が射手座にある人や、ホロスコープ上で射手座の影響が強い人は冒険小説や壮大なテーマの作品が得意だったりするのかな、とこちらの記事を読んで考えたりしました。

    興味深い記事をありがとうございました(*´ω`*)

    • こんにちは、さっそくコメントいただけてとてもうれしいです!
      火のサインって抽象的でなんだか実体がなくてわかるんだけどわからなくて、かなり苦しみながら書いたので、よろこびもひとしおです…。
      文章までお褒めいただけて、あー生きててよかったー…という感じです。

      結局、射手座っぽさというか、冒険心をくすぐられるというか、勢いというか、つまり火っぽさがないと、なんだか物足りないですよね…。
      射手座に天体がなくても木星が元気だったら、けっこうイケイケドンドン感は出るんじゃないでしょうか!?
      私も自分の木星を刺激して、もうちょっと高い頻度で、熱い記事を更新できるようになりたいです…。

      なんだか射手座が強いひとって気難しげな作品が多いような気もするのですが(思索のサインでもありますし…)、でもたぶん、私の知性が射手座の語る思想に追いつけていないだけなんだと思われます…。

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